ハレの日・ケの日

先月、当院近くの山縣神社で大弐学問祭というお祭りがありました。


新型コロナが5類感染症になってから初めての開催ということで、多く人出で盛り上がっていましたね。
いわゆるお祭り騒ぎ、実は健康的な生活を送るコツとしても活かせるんです。

ハレの日・ケの日

「ハレの日・ケの日」って言葉をご存じでしょうか?
「晴れの舞台」などと同じ用法の言葉で、折り目・節目など特別な日を「ハレの日」、それ以外の日常を「ケの日」と分けたそうです。
[関連サイト:ハレとケ(Wikipedia)
日々の生活にメリハリをつけるための生活の知恵という説もどこかで読んだことがあります。

理想の生活は難しい

お祭りとまではいかなくても特別な日を作り、息抜きのためのメリハリを作るのは鍼灸師としてもお勧めです。
例えば、東洋医学的に理想の生活を考えると、甘いものや冷たいものは控えなければなりません。
甘味や冷たさは摂らなくても身体の機能に支障はないですし、控える生活も慣れてしまえば意外と苦ではありません。

しかし、甘味などは魅惑的ですから、「誘惑に負けて口にしてしまった」という患者さんからの懺悔もかなり多いんです。
食事に限らず、禁止されると却って欲求が湧きやすくなりますもんね。
欲求が湧き起こってもいなせれば良いのですが、真っ正面から向き合って我慢するとそれはそれでストレス源になりがちです。

日常生活の中にも小さなハレとケを

そこで取り入れてもらいたいのがハレの日・ケの日の考え方。
四六時中ストイックに過ごすのではなく、普段は身体の負担を減らす生活を心がけつつ、休日など決まった日だけ自分を甘やかすのです。
何人かの患者さんにこのやり方をお勧めしたところ、たまの楽しみを励みとして以前より節制できるようになったそうです。

自戒も込めて書きますが、相当に志が高くないと理想の生活を続けるのは困難です。
どんな身体に良い生活でも、無理なく続けられなくては意味がありません。
だからこそ日本文化のメリハリを見習い、工夫の1つとして試してみる価値はあるんじゃないでしょうか?