色んな鍼灸があるんです
先月、テレビで東洋医学を特集した番組が放送されました。
ご覧になった患者さんも多く、施術中に話題になることも。
40診目にして「ここではどんな鍼灸をやってるんですか?」なんて、改めて自身が受けている鍼灸に興味を持ってくれるキッカケにもなりました。
ものすごく簡単にはなりますが、僕からも鍼灸を紹介してみたいと思います。
歴史が長いからこそ……
まず知っていてほしいのが、鍼灸の歴史の長さ。
最古とされている医書で約2200年前のもの、日本伝来で言っても約1500年前といわれています。
それだけ長い歴史があると、鍼灸と言っても理論の発展具合から道具の精度からまで、かなり振れ幅が広くなります。
その歴史の中から何に着目するかで、鍼灸施術法も数えきれないほど枝分かれしていきます。
中国は国策で1つの体系にまとめたようですが、日本は良くも悪くも国の関与は少ないので、個々の鍼灸師がそれぞれ自分にあったやり方で施術を行っています。
鍼灸が効くのは気? 科学?
日本では鍼灸師の数だけ施術法はあるとも言えますが、それでも「大きな学術団体が東洋医学系と西洋医学系の2つある」と知ってもらうとわかりやすいかもしれません。
僕は東洋医学系の団体に所属していて、西洋医学系については文献でしか知りませんが……。
誤解を恐れず自分の理解で言えば、古典的な東洋哲学のままで使うか、東洋医学を西洋科学で解き明かすか、という差があると思っています。
見た目では共通する部分もありますが、理屈部分ではかなり違う方向性の鍼灸施術になりますね。
自分にあった鍼灸があるはずです!
僕も鍼灸を学び始めるまで、こんなにバリエーションがあるとは知りませんでした。
冒頭の話に戻りますと、「テレビのと全然違うんですね」と言われるのもある意味で当然ですし、「番組で紹介されたやつをやってください」というリクエストに答えられないのもご理解いただきたいところです。
理屈ややり方は違っても、どの鍼灸にも身体を変えていく効果があるのもまた事実。
折角バリエーション豊富なのですから、自分に合う施術法を探すのも醍醐味と言えるかもしれません。
テレビ番組で鍼灸に興味を持った方がいるようでしたら、一歩進んでテレビで紹介されなかった鍼灸もぜひ目を向けてみて下さい!