健康法もオーダーメイドで

よく患者さんから家でもできる健康を尋ねられます。
コロナ禍になって体調管理が改めて大事になりましたからね。
一般論としては、例えば僕の恩師の著書である『からだが不調なら 冷えをとりなさい』に書いてある内容をお勧めしています。
ただ、そこから一段進んだ健康法を実践するには、本などからの受け売りだけではなく自分で工夫する必要があるんです。

お勧めの健康法が合わない?

先日、冷え性の患者さんからこんな話を聞きました。
「友人が冷え性を治したという薬用酒を飲んだ。冷えは変わらない上に、それから頭痛が続いている」。
冷え性に効く薬用酒のはずですが、勧めた方と患者さん自身で結果が違ったようです。
もちろん友人の方は善かれと思って教えてくれたのでしょう。
健康法の選択の難しさが端的に現れている例なんです。

健康法は十人十色

誤解を恐れず言えば、どんな健康法が良いかには個人差があります。
例えば散歩は体調維持にとても良い運動ですが、どのくらいの距離・歩数が最適なのかは運動部学生と普段運動をしてない高齢者では全く違います。
水を飲む健康法もありますが、体格や発汗量で何リットルが適量か変わってきますよね。

また、健康について調べていると、症状別に紹介されている漢方やツボを目にすることもあるかと思います。
しかし、単に症状だけで自己判断して取り入れると、元来のケースとは違って効用が現れない場合も多々あります。
本来の漢方・ツボは身体のバランスに対して選ぶようにできているので、一見症状が適合していても効くパターンではないということなんですね。

自分の健康に合うものを見極めて!

鍼灸は脈・舌・ツボ・病歴などで全身の状態を把握しながら、その時の体質や体調にあうように施術を進めます。
漢方も「さじ加減」という言葉があるように、体調を診つつ毎回こまかく調整していたんです。
もちろん日々の健康管理ではここまで厳密にする必要はありません。
何かを始める時には量や程度を少なく、負担にならないラインを見極めつつ刺激を増やしていけば自分にアジャストできるはずです。

日常での健康法は毎日の積み重ねになるだけに、良いも悪いも影響が大きく出てしまいます。
だからこそ情報を鵜呑みにせず、取捨選択が大事になってきます。
自分のための健康法をオーダーメイドできるよう見極めてみてください!