江戸時代の夏の健康法

先週末、所属する流派のセミナーで講師デビューをしてきました。
普段やっている治療法が題材とは言え、人に説明するとなると勝手がわからず準備には四苦八苦!
しかし師匠のサポートなどのおかげで、自分としては無事に講師をしてこれたんじゃないかと思っています。

実は今年の10月にも人前に立つ場があるんです。
去年に引き続いて今年も『養生訓』という本について発表することが決まりました。
[関連記事:学会で発表してきました!
以前ブログでも『養生訓』の中身を紹介すると書きつつも、気づけばほとんど手つかずで数ヶ月……。
なので今回は『養生訓』から夏の過ごし方について紹介します!

江戸時代も冷たい飲み物は厳禁!

『養生訓』にこんな文があります。

夏月、冷水を多くのみ、冷麪《めん》をしばしば食すれば、必ず内湿にやぶられ、痰瘧《ぎゃくり》、泄痢をうれふ。つゝしむべし。

(巻第六 病を慎しむ)

四時の内、夏月、尤《もっとも》保養すべし。霍乱《かくらん》、中暑、傷食《しょうしょく》、泄瀉、瘧痢《ぎゃくり》の病、おこりやすし。生冷の飲食を禁じて、慎んで保養すべし。夏月、この病おこれば、元気へりて大いに労す。

(巻第六 病を慎しむ)

それぞれの病名を解説すると長くなってしまうので省略しますが、要は夏に冷たいものを口にすると色んな病の原因となるということです。
引用は2ヶ所ですが、『養生訓』の中では他にも何度も書かれています。
著者が重要だと思っていたことがわかりますね。

江戸時代の冷たいものって?

では『養生訓』で言う冷たい飲み物とはどのくらいの温度でしょうか?
『養生訓』は専門書ではなく一般の人向けに書かれたといわれています。
おそらく江戸時代の庶民の夏を考えると、冷たいものはおそらく井戸水程度。
以前このブログでも書いたのですが、井戸水って20℃くらいのようです。
[関連記事:身体が求める冷たい物って?
夏の水道水より少し冷たいくらいでしょうか。

現代の飲み物は冷たすぎ

現代人は冷蔵庫のおかげで冷たいものに慣れているので、20℃の飲み物ってぬるく感じるんじゃないかと思います。
そんな温度でも『養生訓』は飲まないようアドバイスしてるんです。
初めて『養生訓』を読んだ時に一番印象に残ったのがこの部分でした。
「冷蔵庫がない時代の冷たさでも避けるよう言ってるのに、氷入りの飲み物なんてもっとダメじゃん!」って。

上記の記事にも書きましたが、夏バテに悩んでいる方には冷たい飲み物ガマンが結構効くんです。
気軽にできて効果絶大な、夏に一押しの健康法です。
お盆休みを元気に楽しく過ごすためにも、江戸時代の健康法をぜひ試してみて下さい!