難病と鍼灸

先日、機会があって恩師の講義録を見直しました。
その中に難病について言及している箇所がありました。
なぜ鍼灸の講義で難病?と思うかも知れませんが、意外と鍼灸臨床と無関係ではないんです。

難病でも鍼灸で変化する

当院の患者さんで難病に施術した例を思い出してみると、
●メニエール病のめまいの回数が減った
●パーキンソン病では少しだけ歩行しやすくなった気がする
●潰瘍性大腸炎で腹痛はあるけど血便が出なくった
●クローン病では腹痛も血便も変わらず
●ベーチェット病の炎症範囲が明らかに狭まる
などなど。
太刀打ちできなかった場合もありますが、身体に変化が現れることの方が多いですね。
うまくいけば症状が軽くなったり薬を減らすなど、完治に至らずとも病との付き合いが楽になります。
数例ですが、中には検査で異常が見られなくなるほど改善してお医者さんが驚いたケースも!

難病の病因は?

日本の制度で難病は「発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない、希少な疾患であって、長期の療養を必要とするもの」が指定されています。
物凄く平たく言うと、現代医療では原因不明で手ごわい疾患ということですね。
しかし、西洋医学と東洋医学で病の原因の考え方が違うので、鍼灸によって対処できることもあるんです。
当院で行っている積聚治療で言えば、病の原因は生命力の低下だと考えます。
そこを補うように鍼やお灸をすることで、身体の働きが良くなり異状に対処してくれるようになります。
その結果が、上記のような例になるわけですね。

難病に音を上げる前に鍼灸に!

原因不明ということと“難”という字のために、悲観してしまう患者さんも少なくありません。
もちろん、身体が相当弱っていることが多いですし、数回の施術では太刀打ちできない場合もあります。
しかし、地道に身体本来の力を取り戻していけば、症状も変化していくはずです。
もし難病でお困りの方がいたら、諦めずに近くの鍼灸院で東洋医学にも頼ってみて下さい!