疲れをとって偏り解消!
5月に入り、僕が所属する積聚会では講習会が始まりました。
僕も久しぶりに講師を担当し、自分がやっている鍼灸施術法を0から教えています。
第1回目は「気の考え方に基づいた鍼灸」とはどんなものか講義したわけですが、患者さんも知っていて損はない内容だと感じました。
そこで、改めてブログでも紹介しようと思います。
「万物は気から為る」
鍼灸に限らず東洋の文化では古代から、全ての物・現象は気のかたまりであるという前提で成り立っています。
例えばコーヒーとパソコン、一見全く違って見えますが、同じ気が違う密度で集まりかたまっているだけだと考えるんです。
科学に詳しい方でしたら、力も物質も素粒子が担っているとする量子論に似ていると気付くかもしれませんね。
人間を含む生き物も同様に気からできています。
しかし、他の物質と違うのが生命力によって生きているということ。
この生命力を、僕たちの流派では重要視しているんです。
生命力が低下すると気が偏る
生まれもった生命力を上手に使えれば、天寿まで一生を全うできるでしょう。
ところが疲れや不摂生、ストレスなどで生命力を浪費してしまうと、身体の気を整える働きに支障が出始めます。
なぜなら気は元々温度などによって偏りやすい傾向にあるからです(だからこそ均一じゃない季節や万物があるわけです)。
生命力が弱った結果、身体を構成する気が自然の法則のままに偏り始めてしまいます。
気の偏りが具体的な現象として身体に現れたのが冷えと熱です。
冷えや熱のバランスが悪いと浮腫みや強張り、のぼせなどを引き起こし様々な症状に発展していきます。
このブログで症状を体熱の問題として紹介しているのには、こういった考えが背景にあったのです。
気の偏りの原因を改善しよう
何か症状があるときに直接アプローチする治療・療法は、僕たちの立場から見ると気の偏りを是正していることになります。
もちろん症状が解消されるので身体は楽になります。
ただ、生命力が本領を発揮できないままだと、何かのきっかけで再び気が偏ってしまうのは想像に難くありません。
僕らがやっている積聚治療は「大元の生命力を助けてあげれば、身体は自力で偏りを正してくれる」というスタンスをとっています。
生命力がどうやったら高まるか、その一点を追及して成り立っている施術法というわけです。
だからこそ様々な気の偏り(=症状)に対応できますし、鍼ができない部位(=内蔵など)の気の偏りも変化していくんですね。
「臨床と教育は両輪」
と、大まかに言うとこんな内容を講義して参りました。
申し訳ないことに、講習会の準備で今月のようにブログ記事が少ないこともあるかもしれません。
その分、知識・技術をしっかり見直して「教えることは自分のやっていることの整理にもなる」という恩師の言葉を実践したいと思います!