施術を受けて疲れる?

時おり、鍼灸を受けたあとに身体がつらく感じる方がいます。
瞑眩(めんげん)や好転反応という言葉で知っている方もいるかもしれませんね。
実は、この現象は前回の記事で取り上げた体力の話と関連しているんです。
[関連記事:体力の回復は日常生活の中で!

身体を治すのに体力が必要

上記の記事で「鍼灸施術では、疲れで鈍ってしまった生命の働きを呼び起こします」と書きました。
その結果、不調な部位を治す働きも活性化するために症状が改善されていきます。
この治す働きは患者さんの身体自身が行うので、少なからず体力を消耗するのです。
体力が充分あれば、ほとんど気にならない程度の消耗です。
しかし、元から弱っている方だとつらく感じてしまう場合があるということなんです。

体力に見合った刺激量がある

早く治したい方からは「つらってもいいから普段より多めに施術を」と頼まれることもあります。
しかし、当然のことながら体力は有限です。
そのために一度の施術で身体が受け入れられる施術の刺激量には限度があります。
体力に見合った以上の刺激を施しても、消耗がつらくなるだけで効果が増すわけではありません。
そこで東洋医学的な鍼灸では、脈・舌・腹・ツボなどの様子から体力の余裕を判断しつつ施術を進めるのです。

体力が弱る前に手を打とう!

一般的に症状が重かったり長く続いているほど、体力も相応に弱りがちです。
そのために弱っている方への施術では、より軽い刺激を選んで慎重に回数をかけて、地道に進めていく必要があるのです。
逆に言えば、体力がそれなりにある状態であれば、治癒に回す余裕が大きいので早く改善していきます。
鍼灸施術という観点でも、患者さんに余力がある方が取れる手段は多くなります。
だからこそ不調を感じたら、回復のための体力が残っているうちに手を打ってくださいね。