コロナ禍と花粉症

今年も患者さんから「花粉症でつらい」という言葉を聞く季節を迎えています。
日本気象協会の予測によると今年の飛散量は例年に比べて少ないようですが、花粉症で困っている人は多い印象があります。
その原因としてコロナ禍との関係はテレビなどでよく言われていますよね。
改めて見直して、鍼灸で力になれる事がないか考えてみたいと思います。

花粉に触れる機会が増加中

花粉症は、西洋医学的には花粉が体内に侵入することでアレルギー反応が起きるとされています。
しかし、今年は感染症対策として換気が求められています。
ウイルスを排出するために換気をするわけですが、同時に花粉は入ってきてしまうのが悩みどころですね。

東洋医学の考えでは、花粉症の症状は風の影響で現れます。
風というと空気の動きのことだと思うかもしれませんが、花粉や菌・ウイルスなど風によって運ばれるものも含まれます。
つまり東洋医学の観点で見ても、換気をしなければいけない現状が花粉症を招くのも不思議ではないのです。

見逃せない活動自粛

ただ、風を受けると無条件で花粉症の症状が現れるわけではありません。
厚生労働省が「悪化の因子であるストレス、睡眠不足、飲みすぎなどを抑えることが必要」と載せているように、体調も大きく影響してきます。
[関連サイト:はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~|厚生労働省(外部サイト)]
そこでしっかり体調管理をしようと思っても、コロナ禍での生活だと及ばない部分もあるようです。

患者さんの話を聞いてみると、感染のリスクを減らすために今まで行っていた活動を控えている人は少なくありません。
例えば、ヨガやジムに行くのを控えている、登山サークルに参加しなくなった、テレワークになってからずっと家にいる、などなどです。
運動不足やら知人に会えないストレスやら、徐々にですが心身が消耗しているということでしょう。
結果、風への抵抗力が落ちて、例年より少ない花粉でもつらい症状となってしまうわけです。

鍼灸施術を受けるのも本当に大事!

実はこの記事を書こうと思ったのは、自分が花粉症再発気味だからなのです。
ここ数年は無縁に過ごしていたのですが、今年はたまに花粉症の症状が出ちゃっているんです。
自分でも不思議だったのですが、コロナ禍になって上京する機会がなくなり鍼灸治療を受けていないことに思い至りました。
花粉症が再発することで、改めて鍼灸の有効性を体感したというわけです。

工夫をしつつ活動再開しているところもある一方、感染流行の情勢を見ていると自粛する部分も残っていると思います。
だからこそ、その分を補うためにも鍼灸でキチンと体調管理をすることをお勧めします。
スギ花粉のピークは過ぎましたが、ヒノキ花粉の季節はこれからです。
うまく鍼灸を利用して、コロナ対策と花粉対策の両立を目指してみて下さい!