重量挙げと「気のゆるみ」

前回「気のゆるみ」について書きました。
[関連記事:「気のゆるみ」にご用心
この記事を書いた後に、ゆるみと身体の関係についていい例を発見したので紹介しようと思います。

まずはリンク先の重量挙げの動画をご覧ください(オリンピック公式動画はブログに埋め込めませんでした)。
[関連動画:Anatomy of a Weightlifter with Team GB
注目してほしいのは選手の方々の腰の部分です。
ベルトをしているのに気付いたでしょうか?

このベルトは腰の負担を軽減するための物のようです。
お腹に圧力を加えることで、腰の負担を軽減して、背筋の力を使いやすくするということです。
腰痛の人がよく使うコルセットも似たような効果があるみたいですね。

重量挙げは限界の力を引き出すためにベルトで圧をかけています。
日常ではベルトで圧をかけることはしませんが、やはり周りからの圧力で力の使いやすさが左右されています。
例えば体外からの圧力の一つに気圧があります。
天気が悪い=低気圧の時に身体が重く感じる、と言えば経験したことがある人も多いのではないでしょうか?

もう一つは自分自身による圧力です。
これが前回から言っている「気のゆるみ=身体のゆるみ」と関係してきます。
身体を構成している「気」がゆるむと、皮膚などによる圧力が弱まってしまいます。
すると「気を引き締めている」時よりも力が入りにくくなります。

上手く力が入らない状態のまま身体を使えば、当然普段より負担が大きくなります。
無理な姿勢をしてしまうかもしれません。
負担も多少ならば良いのですが、身体の回復力を上回るようになると問題です。
回復しきれなかった分の負担が積もり積もっていき、ある日限界に達して痛みなど症状が現れてしまうのです。

鍼灸で気のバランスを調整すれば、ゆるみ具合もちょうどよい具合になっていきます。
負担が減って回復力が勝るようになれば、症状もおのずと消えていくというわけです。
ただ、そもそも大事なのは「気をゆるめ」過ぎないこと。
もちろん「気を張り詰め」過ぎるのも問題なのです。
自分にとって程よい状態をキープするのが重要ですね。