鍼灸と薬の方向性に違いは?
先月から検査などについて東西医学での違いを書いてきました。
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治療方針についても書こうかな、と思って考えとみると、どうも東西の違いより手段の違いが大きそうだと気付きました。
そこで今回は鍼灸と薬の違いについて書いてみたいと思います。
鍼灸の良さはその場で効果確認
「鍼灸と漢方にどんな違いがあると思う?」
これは生前の恩師から問いかけられた言葉です。
当時は漢方を全然勉強していなかったので(今もかじった程度ですが!)、返事に窮したことを思い出します。
恩師の答えは「鍼灸はその場で効いたかどうか確認できる」というものでした。
確かに、漢方でも西洋薬でも基本的には一定期間飲んでみて、次の通院時に身体の変化を診て薬の量や種類を調整します。
それに対して鍼灸は鍼やお灸の効果を舌・脈・腹・ツボなどからその場で確認できるため、状況に合わせて刺激の量や種類を調整できるんです。
積聚治療は特に確認を重要視
ちなみに当院で行っている積聚(しゃくじゅ)治療はこの点を突き詰めています。
受けたことのある方はお気付きかもしれませんが、施術が始まったら患者さんから目を離すことはありません。
それに置鍼(鍼を一定時間刺しっぱなしにしておく手法)がないことを恩師は強調していました。
最適な刺激を提供することを目標に、身体の変化を見逃さず即座に鍼やお灸を調整できるような手順になっているんです。
鍼灸と薬のどちらがあなた向き?
鍼灸と漢方は東洋医学としてまとめ、西洋医学と差別化されがちです。
ただ、刺激のの与え方の違いして分けると、薬と鍼灸なんて分け方もできそうという話でした。
もちろん良い悪いがあると言いたいわけではなく、単なるアプローチの仕方の違いだけです。
(今回は効果の得手不得手の話ではありませんからね!)
どちらのアプローチが自分にあっていそうか、という観点で治療法を選ぶのも1つの手なんじゃないかと思います。
