恩師の訃報に際して
8月上旬に恩師である小林詔司先生が亡くなられました。
突然のことで、1ヶ月経っても実感は沸かないし考えもまとまらないままです。
しかし、49日経ってしまう前に意を決して徒然なるままに書き記してみようと思います。
小林先生は僕の師匠の師匠にあたる鍼灸師です。
患者さんの中には覚えている方もいらっしゃると思いますが、数年前まで小林先生の鍼灸院でスタッフとして週1回お世話になっていました。
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その期間には講演会などに鞄持ちとして同行するチャンスも多々あり、様々なことを学ばせてもらいました。
僕の鍼灸のベースは師匠の教えでできており、小林先生から技術的なものを習う機会はあまりありませんでした。
しかし、週1回とは言え同じ空間で働くことで、講習会などでは習い切れない深い部分まで見倣い・問答できたのはとても勉強になりました。
また、普段の臨床の場での振る舞いや鍼灸師としての生き様に触れたのも大きな財産です。
小林先生に見出だしてもらわなかったらもっと漠然としたスタイルの鍼灸師になっていたでしょうし、だからこそ返しきれない恩を感じています。
先生の鍼灸院に通わなくなっても、講習会・会議・学会などでお会いできると考えていました。
そんな期待もコロナ禍で大きく狂い、結局1年半前に患者として施術を受けに伺ったのが最後になってしまいました。
数日前まで臨床に立っていたというくらいなので本当に突然の報でしたが、それくらいギリギリまで現役だったのがいかにも小林先生らしいとも思えます。
何歳になっても向上心を持ち続けている先生でした。
なので鍼灸師として追い付くのはとても無理だったとは言え、せめてもっと成長した姿を見てもらいたかった、というのが今の気持ちです。
書き途中の論文も、迷走せずに書き上げていれば読んでもらえたのにという悔いもあります。
師から学ぶっていうのは、そういう感謝・後悔を経験することも込みなのかもしれません。
最初に宣言した通り、つらつらと書いてしまいました。
色々と考えは尽きませんが、結局はこれまで以上に鍼灸に励むしかありません。
小林先生に教わったと言って恥ずかしくない、多くの患者さんの役に立てる鍼灸師になることが恩返しだと信じて頑張ります。