積もれば山となる
毎年この時季になるとサッカーや野球のプロチームがキャンプを行っているというニュースを聞きますね。
シーズンに向けて型を固めることも目的の1つにあるようです。
プロスポーツほどの分かりやすさはありませんが、鍼灸でも型はかなり大事な要素です。
今回は、鍼の型を通じて気づいた養生のポイントを書いてみようと思います。
数ミリの違いは大きな違い
先日の話です。
鍼で施術をしている際に、構えが以前と微妙に違っていることに気付きました。
思い返してみると原因の心当たりもあり仕方ない変化だったのですが、不本意だったので構えを従来の通りに戻してみました。
数ミリ位置が違うだけなのですが効果は覿面!
鍼をしていてシックリきますし、何より患者さんの身体の変化が明らかに違うのです。
実感はなくても影響はあり
気になって「さっきと鍼の仕方が違うの分かりますか?」と訊いてみると、患者さん自身は全く違いがわからないとのこと。
つまり実感できないくらい些細な刺激の違いでも、身体への影響は違ってくるということなんですね。
1回30分の施術でも些細な刺激の差が大きな違いになるのですから、刺激が長時間だったらどうなるでしょう?
この事を考えていて思い出したのが、とある患者さんのベルトの話。
身体にいつもベルトの跡があるので、ある時「少し緩めてみたらどうですか?」と提案してみました。
するとビックリ、次の週には手ごわかった腰痛が半分以下になっているということでした。
ベルトの締め付け自体は患者さん本人も普段気にならない程度で、あまり強い刺激ではありませんでした。
しかし、日常的にその刺激を受けていることが身体の負担になり腰痛につながっていたと理解できるんです。
些細な刺激も積もれば強刺激
ほんの少し刺激の差も場合によっては身体に大きな影響を及ぼします。
それがプラスに働く刺激ならば良いのですが、マイナスの刺激だと段々と健康を損なう恐れもあります。
本当に些細な刺激だと自分で気付くのは難しくありますが、前述のベルトの締め付けのような刺激なら跡や軽い圧迫感がヒントになります。
そんなちょっとした不快感を見逃さず、日常生活から負担になる刺激を減らしてみて下さい。
自分でも驚くくらいガラッと体調が変わるかもしれませんよ。