江戸時代の健康書『養生訓』の中には「満腹まで食べてはいけない」ということが何度も書かれています。
むしろ食事を我慢しないことが病の原因だと言い切っているくらい。
これって時代が変わっても揺るがない、日常生活のキーポイントなんです。

消化をすると身体は疲れる!

食事は栄養を摂るために欠かすことのできない習慣です。
それなのに我慢しなければならないなんて不思議に思いませんか?
実は食事ってプラスの要素だけじゃないんです。
なぜなら食事をすると身体が疲れるからです。

食事の後に行われる消化では、胃腸を動かしたり消化液を分泌したりするのにエネルギーを使います。
なので消化する量が多ければ、エネルギーを消耗しすぎるのは当然です。
これが『養生訓』を初め、東洋医学で言うところの気が減る状態です。
例えば患者さんに「食べた後は急に眠くなって起きていられない」と言う方がいます。
体力が落ちているために少しの消耗が響くという状態で、食事の疲れをわかりやすく体感した例です。

病気の時には消化に良い食事

もう1つ身近な例があります。
病気の時にはお粥やうどんなど軽いものを食べますよね?
身体が弱っている時に更に疲れさせないよう、消化に優しいものを口にするというわけです。
入院した時の病院食も同様ですね。

体調が悪い時こそ肉などをガツンと食べて栄養をつけたい、という方もいるかもしれません。
しかし、これは普段から丈夫な人が軽い体調不良になった場合。
寝込むほど不調の時に重い料理を食べたいという人は少ないはずです。

体調に合わせた食事をしよう!

食事で疲れるのは実は赤ちゃんも同じです。
数か月前に娘の離乳食を始めたところ、お腹に固さが出てきました。
母乳から離乳食になったことで消化にエネルギーを使うようになったということがわかります。
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ちなみにこのお腹の固さは鍼灸治療ですぐに消えてしまいます。
赤ちゃんは疲れの蓄積がないので回復が早いのです。
しかし、大人の日常生活では食事以外にも様々な疲れがあります。
そのために疲れの相乗効果で様々な症状につながってしまうのです。

『養生訓』では「人生日々に飲食せざることなし。常につつしみて欲をこらへざれば、過やすくして病を生ず」とも言っています。
食事は毎日のことだからこそ度が過ぎやすく、その積み重ねが病の原因となってしまいます。
消化に負担になりそうなものは連続して食べない、疲れ具合に合わせて消化にやさしいものを食べる、など日常で工夫することが簡単にできる健康の秘訣なんです。