元気を大切に!
今週末、日本の伝統鍼灸に関する学会が開催されます。
[関連サイト:第53回日本伝統鍼灸学会学術大会 東京大会(外部サイト)]
今回は参加するだけではなく、3年ぶりに口頭発表に挑む予定です。
発表のテーマをざっくり言うと「元気とお灸」。
そこで今回は元気、次回はお灸について書いてみたいと思います。
元気の意味は1つだけじゃない!
元気という言葉を手持ちの広辞苑で調べると以下のように書いてあります。
①天地間に広がり、万物生成の根本となる精気 ②活動のみなもととなる気力 ③健康で勢いのよいこと
日常で使われる意味は②や③ですね。
しかし、今回の発表で僕が着目してるのは①。
東洋医学の根っこにもある気の考え方から派生した意味ですね。
気って不思議なパワー?
現代で気というと、気功のような超常的な力を思い浮かべるかもしれません。
鍼灸院にいらっしゃる患者さんからも、不思議なパワーについての質問を受けることもあります。
しかし、本来の伝統的な考え方では万物が気なのです。
不思議なパワーだけではなく、目に見える山や川も、四季の移り変わりも、宇宙にある全てが気の集まりであると考えるのです。
極端な話、鍼だろうとメスだろうと薬だろうと、何かを使って治そうとする行為は全て気による治療と言うこともできますね(笑)。
元気を大事にするのが養生
今回の発表では、貝原益軒という江戸時代の学者さんを研究の対象としました。
この方は、気が万物を産み出す働きを元気と呼んでいました。
人体ももちろん万物に含まれますから、元気によって生まれて動いています。
そのため、元気を活かすための生活の仕方を“養生”と呼び、『養生訓』という本を残しました。
次回は発表の核でもある、『養生訓』に載っているお灸について書いていきます。
