数回に分けて鍼灸と美容について取り上げてきました。
美容のための鍼灸とは?
バランスのとれたスタイルには健康が近道です!
健全な姿勢は健康な肉体に宿る
最後は、訊かれることが一番多いダイエットと鍼灸の関係について書きたいと思います。

鍼灸でダイエットと言うと、耳鍼が有名です。
TVや雑誌で耳鍼が紹介されているのを見たことがある方は多いと思います。
耳たぶのツボに長さが1mmに満たない小さな鍼を貼っておくというものです。
食欲をコントロールすると言われていますが、実はそれ以外の鍼灸治療でもダイエットに活用できるのです。

鍼灸で健康になることで、ダイエットとしての効果も現れるパターンがいくつかあります。
原因で分けると食欲・胃腸・水分・冷え・便秘・運動不足などです。
これから1つずつ説明していきます。

1.食欲がありすぎる

疲れているときに甘いものを食べたくなるってよく聞きませんか?
疲れすぎると逆に今度は食欲がなくなったり。
ストレスで大食いしてしまうというパターンもありそうです。
もちろん日常的に食欲が抑えられない人もいるでしょう。

食欲は心身の状態に大きく左右されます。
これは何らかの理由で疲れ(精神的なものを含む)が溜まった時に、食欲をコントロールするエネルギーが足りなくなるからです。
急性・慢性どちらの食欲異常であっても、休息や鍼灸治療で身体の調整機能を取り戻せば食欲は安定してきます。
食事の量が適切になれば、体重も自然に落ちますよね。

2.胃腸が弱っている

食事制限のダイエットの後のリバウンドという現象は有名です。
摂取するカロリーが少なくなると、カロリー消費を抑え蓄えやすくなるように身体が対応します。
この状態で食事の量を戻すと、蓄える効率が良いので太ってしまうというものです。

胃腸の機能が弱っていたらどうなるでしょう?
腸が本調子でないと、食事は適量でも吸収できる量が少なくなる場合があります。
すると身体としては食事制限ダイエットと同じで、消費カロリーを節約しようと判断します。
なるべく蓄えようとする結果、脂肪がつきやすい体質になってしまいます。

鍼灸治療をしていると、患者さんのお腹が鳴ることがよくあります。
これは全身の巡りがよくなることで、胃腸にもエネルギーが行き渡り活発になったためです。
弱っている部分を回復させるにはエネルギーが不可欠です。
鍼灸は胃腸を含む全身のエネルギーの流れを対象にしています。
したがってこの原因にも対応できるという訳です。

3.水分が排出できていない

いわゆる水太り・むくみです。
ここでも身体の調整機能の問題が出てきます。
体内の水分量のコントロールができていないのです。

今回挙げる中では、鍼灸で一番変化が大きく実感しやすいかもしれません。
早い人は治療したその日のうちにトイレの回数が増えるようです。
皮下の余計な水分が調整され、治療後にベッドから起きると顔が別人のようにスッキリしているということもありました。

4.身体の芯が冷えている

逆にこちらは手ごわいと言えます。
お腹を触ってみると物凄く冷たいというパターンです。

皮下脂肪には保温効果があると言われます。
身体の芯が冷えている人は、それ以上冷えないように脂肪で自分を包んでしまいます。
しかし、脂肪には産熱機能はありません(産熱は筋肉の働きになります)。
冷えてしまった芯が温まらない限り、保温のための脂肪が減ることはありません。
地道な生活改善と鍼灸治療で冷えを解消することが必要になってきます。

ちなみにビール腹というのも、ビールが強烈にお腹を冷やすせいだと思っています。

5.便秘で腸の内容物が多い

ガスや便が腸に溜っていれば、当然内側からお腹が膨れて腹囲が増します。
腹診でお腹を押すと苦しく感じる人が多いです。
こちらは単純ですね。
腸の働きが正常になれば張っていたお腹も自然にへこむというわけです。

6.運動不足でカロリー過多

普段の運動が少なく、余ったカロリーが脂肪という形で蓄えられている状態です。

運動が嫌いでカロリーの消費が少ない人に、鍼灸で対応するのはなかなか困難です。
鍼灸は身体を正常な状態に近づけます。
カロリー消費が運動量に比例するのは、動物としてはとても自然で正常な状態です。
なので鍼灸で身体を整えたからと言って、運動量を越えて脂肪を燃焼できるわけではありません。
(逆に運動量を越えてカロリーを消費している状態は、疲れやすさなどの症状につながる良くない状態です。)
運動不足は身体の気のめぐりにも関係してくるので、運動を習慣付けることをお勧めしています。

鍼灸で力になれるのは、身体のどこかに問題があって運動できない場合です。
運動できずにカロリーが消費できないからと言っても、食事量を減らすには限度があります。
この場合は、できる運動は続けることが重要です。
カロリー消費の機会という意味はもちろん、問題ない部位が衰えないようにするためです。
鍼灸で問題自体に対処していけば可能な運動の幅が増えていくので、日常での運動量も増えてカロリーを消費できるようになります。


パッと思いつく限りでもこれだけのパターンがありました。
どれでも鍼灸治療で対応できそうですね(笑)。
肥満はいろんな病気の予備軍と言われます。
今は他に気になる症状はなくても、肥満自体がすでに身体が弱り何らかの調整機能が乱れていることの現れです。
美容と鍼灸という流れで書きましたが、美容という範囲に収まりませんね。
見かけだけの問題だと思わず、ダイエットのために生活改善と鍼灸治療を考えてみて下さい!