はるか遠き師匠の背中を追って
私事ですが、この7月に誕生日を迎えます。
ふと気になって数えてみたら、出会った頃の師匠と同じ歳になるようです。
あの頃の師匠を思い出しながら、鍼灸師としての現在地とこれからを考えてみようと思います。
この年齢が見えてきたここ数年、密かにあの頃の師匠を意識しながら研鑽を続けてきました。
師匠と僕では臨床に立ち始めた年齢が違うので単純に比べることはできませんが、それでも弟子として一つの目安になると思ったんです。
結果として、全く追いつけている気がしません(笑)。
あの頃の師匠が備えていたのは、繊細かつ効果的な技術、東洋医学の古典から文化まで深く広い知識、そして鍼灸師として邁進する芯の太い人間性。
今振り返ってみても、当時からすでに完成度の高い鍼灸師だったという印象しかありません。
とは言え、そんな師匠の背中を追い続けて十数年。
当時の師匠に追いつくことはできていないとしても、少しずつ近づいているという実感はあります。
脈診で患者さん自身も気づいていない状態を把握し、0.1mm単位で鍼をコントロールし、1回の施術での変化も大きくなり、古典に基づいた東洋医学の理論も語れるように。
習った時には理解できなかったことが、十年経ってようやく腑に落ちることも珍しくありません。
師匠との会話の内容も、以前より鍼灸の核心に近い話題が増えてきた気がします。
ただ、僕も成長しているとは言え、師匠も進化を続けています。
理論や知識はさらに深まり、技術や診立てもより詳細に、指導の仕方も常に工夫を重ねています。
今も昔も遠い背中ですが、もしかしたら当時より距離が開いているかもしれません(苦笑)。
でもそれでいいんです。
鍼灸の道を突き進む姿に憧れているからこそ、背中が遠いほど追いかけがいがあります。
今までは憧れた当時の師匠の背中を目安に頑張ってきました。
これからは、弟子として身近で見てきた師匠の「進化」を追いかけていくことになります。
決して楽ではありませんが、とてもやりがいのある道です。
これからも進化する師匠を追いかけて成長を続け、対応できる患者さんや症状をさらに増やしていきます。
皆さんのお役に立てる場面も、これからもっと広がっていくはずです。
