ヘルニア新薬ニュースと鍼灸の視点
先月、山梨大学から衝撃の発表がありました。
ヘルニアに使える薬の道筋がついたということです。
[関連ニュース:腰椎椎間板ヘルニア治療剤の企業への導出について記者発表会を開催(山梨大学HP)]
ヘルニアは鍼灸院にとっても避けては通れない疾患です。
今回はヘルニアについて東西の医学の観点でまとめてみます。
ヘルニア新薬と免疫の仕組み
ヘルニアを一言で言えば、背骨の間にあるクッションが飛び出てしまった状態を指します。
この飛び出たクッションが神経にあたったり炎症が起きることで、痛みやしびれと言った症状が現れます。
現代の医学では、薬やリハビリなどで症状を和らげながらクッションが小さくなるのを待つ、ひどい場合は手術で飛び出たクッションを除去するという手段がメインです。
今回発表されたのは、飛び出たクッションを体内の免疫細胞(マクロファージ)が効率よく食べて片づける、という体内に元々備わっている仕組みを助ける薬の技術です。
冷えとヘルニア症状の関係
一方、鍼灸では症状に着目します。
当院で行っている積聚治療では、疲れによって身体のバランスが崩れ、冷えることで痺れや痛みが起きると考えます。
実際の臨床でも、疲れを解消し身体のバランスが整うと、症状は落ち着いてきます。
この時、患者さんから「ヘルニアは治ったということ?」と訊かれることがあります。
もちろん、鍼灸院の設備ではヘルニアがどうなったか検査することはできません。
そこで、「ヘルニアがあっても症状が現れなくて、検査で初めて気づく人もいるんです。症状が落ち着いたということは、そういう状態かもしれませんね」と答えてきました。
検査で飛び出たクッションがあると言われても、身体のバランスが整っていて冷えることを防げていると、症状が現れないという患者さんを何人も見てきたからです。
疲れ解消と身体の働きの活性化
当院で行っている積聚治療は、身体の疲れをとることを目標にしています。
その結果、患部の冷えが変わってきて症状が落ち着きます。
そこに今回の発表内容を加味すると、疲れが取れて身体が元々もつ仕組みを働きやすくなることで、飛び出たクッションを小さくする働きも活発になるんじゃないかという視点を持つこともできます。
薬によってが仕組みが働くことを促せるなら、鍼灸で疲れをとることでも身体に元から備わるその働きが自ら促せるんじゃないか、という発想なんです。
新たな発想を施術に活かすことで、より多くの患者さんにヘルニア症状の改善を実感してもらえることを期待しています。
