がんに負けない身体とは

最近がんの予防・治療の特集に触れる機会が多いです。
有名人のがんの話題が立て続いたためだと思われます。
がんに不安を感じる人も多いと思うので、ちょっと書いてみます。

まず知らない人はビックリする事実。
実はがん細胞って珍しくないんです!
手元にある本によると、人の体内では1日に何千ものがん細胞が発生しているそうです。

がん細胞はそもそも何故できるのでしょう?
一般には細胞分裂の時のコピーミスと言われています。
設計図の異常であることもありますし、コピー過程の失敗であることもあります。
細胞分裂をしないわけにはいかないので、がん細胞の発生は仕方がないとも言えます。

では毎日がん細胞が生まれても平気なのはどうしてでしょう?
それは人間の身体が細胞のコピーミスを織り込み済みだからです。
コピーミスで生まれた細胞が悪さをしないように、免疫がちゃんと対処をするのです。
免疫の処理能力が間に合う限りがん細胞が発生しても心配はありません。

逆に言えば、免疫の処理能力が落ちたりがん細胞の発生が増えると問題になってきます。
ストレスや過労、不摂生などは免疫の処理能力に影響します。
喫煙、飲酒、感染や発がん物質と言われるものはがん細胞を増やす要因となります。
これらによって免疫の処理能力を越えるスピードでがん細胞が発生すると病気として認識されるわけです。

つまり、がん対策としては免疫が常に勝つような状態を保つことが重要です。
例えば疲れなどで体力が落ち免疫も弱っていそうなときは、がん細胞が増えるようなものは避けましょう。
また免疫が多方面で働かなければならない場合でも、がんへの対処は遅れてしまうので要注意です。
がんは生活習慣病と言われるからには、普段の生活が免疫が勝つ環境作りに関わってくるということです!

最後に鍼灸視点で。
ここまでは皆さんになじみの深い免疫という言葉を使ってきましたが、免疫とはつまり身体が健康を保つ力の一つです。
つまり鍼灸で身体の力を補えれば、それだけがんにもなりにくくなるはずです。
当院にはまだ「がんを治してほしい」という患者さんは来たことはありませんが、がんの治療に成功している鍼灸師の話も聞くことがあります。
発生直後のがん細胞を処理できるなら、がんが成長してからでも身体の力が上回れば対処ができるのは道理です。
ただ、がんが成長する頃にはそもそも身体が弱っていると思われます。
そこからがんに勝つ身体まで回復させるよりは、普段から発生直後のがんを叩ける身体にしておく方が楽ですよね?
がんが話題になっている昨今だからこそ、がんに勝てる身体を保てているか生活を見直してみて下さい。