寒さが本格的になってきて風邪に気をつけなければならない季節になってきました。
風邪の症状の一つに発熱があります。
発熱に関しては以前書いた「発熱しない風邪こそ重い風邪?」という記事が、このブログでは一番人気になっています。
風邪をひいているけど熱が出ないという方が結構いるのでしょうか?
今回は上記の記事とは違うパターンについて書いてみます。

風邪をひいたけど熱は出ていない患者さんによく話を聞いてみると、2パターンあることに気づきました。
熱が出そうな気配はないパターンと、熱っぽい感覚はあるけど熱は出ていないパターンです。
前者は上記の記事で書いたパターンです。
後者はどういうことだと思いますか?

実は後者は「熱は出ていない」という認識が間違っているパターンなのです。
もちろん患者さんは体温を計った上で言っている訳です。
ではなぜ熱が出ていないと誤解するのでしょうか?
それは体温を計った結果、数字上は体温が正常の範囲に収まっているからです。

病気で発熱と言うと37℃や37.5℃以上と考えるのが一般的です。
つまり患者さんたちは体温を計って37℃未満だったために「熱は出ていない」と思ったのです。
それでも寒気、ほてり、だるさなどの熱っぽさは感じている。
この矛盾の原因は、患者さんの平熱の低さにあるのです。

健康で平熱が36.5℃の人が、風邪をひいて36.9℃になったとします。
普段より0.4℃体温が上がっているので、もしかしたら微熱っぽさを感じるかもしれません。
しかし前回書いたように身体が冷えていて平熱が低い人たちもいます。
関連記事:平熱が低かったら要注意!
35.5℃の人が36.9℃まで上がったら、普段より1.4℃増しです。
37℃未満なので発熱とは思わないかもしれませんが、体感としては熱っぽさを感じて当然です。
健康な人の37.9℃に相当するわけですから!
ちゃんと「熱が出ている」と自覚して風邪の対処を行う必要がある状態です。

同じ体温なのに人によって感じ方が違ってくる。
このような個々によって見極めなければならない状況は、オーダーメイドな治療である東洋医学の得意とするところです。
なぜならば東洋医学を含む東洋の文化は、変化や差を重んじるからです。
そしてその傾向の源流の一つが易という占いになります。

10月の学会で易の占いと江戸時代の医学の関係について発表してきました。
関連記事:学会で発表してきます!
今回はテーマに沿って江戸時代に限った内容でした。
ですが、そもそも根本的に易は東洋医学と関係してくるのです。
その一面が「変化に着目する」ということで、この記事の発熱のように鍼灸院で応用できるのです。

身体に異変を感じても検査などの数値が正常範囲ならば、なかなかつらさを理解してもらえないという話はよく聞きます。
そのようないわゆる不定愁訴でお困りの時こそ、普段との違いに着目する鍼灸の出番です。
今回書いたような風邪症状のように自覚的には症状があるというならば、遠慮なく鍼灸院を頼ってみて下さい!