人間の身体には様々な変化に適応する力があります。
しかし何事にも限度があります。
たとえ良い変化でも、急激なものだと身体に負担になる場合があるのです。

最近、似たような例が2件ありました。
どちらも定期的にいらっしゃる患者さんで、ある時ガラッと状態が変わったのです。
1人は症状が悪化し、もう1人は新たな症状が出現しました。
これだけだと共通点がないように思えます。
しかしきっかけは2人とも同じで、水の摂取量が増えたことでした。

勘違いが起きると困るのですが、水を飲むことは悪いわけではありません。
問題は暑さや高血圧対策などの理由で、急に水の摂取量を増やしたことでした。
もちろん身体は飲み過ぎの時には排泄量を増やすなど、色々な仕組みで体内の水分量を管理しています。
ただ、鍼灸治療に通う症状があるような身体の状態では、水分量増加に適応が追いつかず症状という形で影響が出てしまったのです。

これは水分の摂取に限りません。
食事・運動・その他なんでも起こりえます。
これら自体は身体にプラスに働くことだとしても、急激に変化させると身体に負担が大きいということです。
もちろん、それを承知で変化に馴染むまでは悪影響が出るのは仕方ない、とすることもできます。
ですが、僕としては悪影響の出ないくらい軽い変化から導入することをお勧めします。
少しずつ量を変えていくことで、自分に適した量を見極めやすいからです。
またその変化との相性が悪かった時も、量が少なければリカバーは容易です。

実は鍼灸治療にも同様のことが言えます。
患者さんの中には強い刺激(深く刺す鍼や、熱いお灸)を求める方がいます。
しかし、強い刺激は大きな変化につながることがあります。
「自分は身体が丈夫だから!」という方もいますが、本当に丈夫なら鍼灸院にいらっしゃることはないわけで……。
当院では基本的にはどんな患者さんも軽い刺激から行い、悪影響が出る量になっていないかツボの様子でチェックしています。
最終的に大きな変化になることもありますが、あくまで軽い刺激で様子を診つつ治療していった結果です。

ツボの変化の様子を診るのはなかなか難しいですが、自分の身体の変化はその気になれば自分が一番わかるものです。
習慣を変える時は自分の身体に相談しながら!
これが身体に負担をかけないコツなのです。