突然ですが、僕の趣味は読書です。
もちろん鍼灸に関わる本も結構読んでいるのですが、趣味として読むなら断然ミステリーです。
ミステリーで一番魅かれる要素はやはり“謎”です。
なのでミステリー以外のSFやノンフィクションの本を読む時も“謎”を求めてしまいます。

さて、ミステリーで“謎”とセットで出てくるのは探偵(役)です。
探偵が“謎”に出合って何をするかというと、大抵は手がかり集めです。
色々手がかりを集めた上で考えて犯人を導き出すのが基本的なスタイルとなります。

実は鍼灸もこれに近い部分があるのです。
いうならば症状が事件で、病因が犯人で発症過程はトリックと言えます。
患者さんが訴える症状は、どんな病因がどんな発症過程で起こったのか?
これを手がかりを集めて推理します。

手がかりの中で重要な位置を占めるのは問診です。
以前ブログでも書いたように外傷は病因になりがちです。
しかしむち打ちだけでなく捻挫や切り傷なども含めると、一生で一回しか外傷を受けていないという方はあまりいません。
どの外傷が症状と関係しているか見極めるのが治療する際には重要です。
そのための手がかりとして、患者さんに受傷状況を教えてもらう必要があります。

また、日常生活の影響ももちろんあります。
どんな習慣があるか訪ねるのも、まさに聞き込みです。
食事・運動・睡眠・仕事など訊くべき項目は多岐にわたります。
当然、得られる手がかりもかなりの量になります。

手がかりが集まったら、実際に身体を見た時の状況と照らし合わせて推理します。
比較的すんなりわかる時もあれば、全く見当がつかない時もあります。
何回か治療を重ねるうちに、ふと患者さん側で思い出して病因がわかる場合もあります。
どのような経過であれ、最終的な目標は病因を見つけることなのです。

なぜこんなにも病因を重要視するかと言うと、本当に治るために必要であるからです。
よく言われる例えがあります。
「穴の開いたバケツにいくら水を入れても満杯にはならない」というものです。
いくら治療を重ねても病因がそのままであれば、結局症状は元に戻るか悪化していくのです。
逆に言うと、病因さえケアできればどんな症状でも改善が見込めるのです。
東洋医学を名乗るからには、真の改善を目指して病因推理に頭を悩ませています。
問診の際には是非手がかり集めにご協力くださいませ!