帝王切開の東洋医学的影響

帝王切開への偏見なくそう」という山梨日日新聞の記事があります。
帝王切開が何が何でも悪いという偏見を持っているつもりはありません。
母子の命のために必要だと判断して行うもので、そこは自然分娩とは比べられません。
しかし東洋医学の立場から帝王切開後に着目すると、偏見とは違う問題が存在するのです。

患者さんの中には出産後から体質が変わり、体調が悪くなったという人がたまにいます。
本人は自覚がなくても問診をすると産後に病歴が偏っていたりするパターンもあります。
こう書くと「出産で体力を使ったから」とか「子育てで疲れが溜まるから」と思うかもしれません。
もちろんそういう要素もあるでしょうが、何年たっても体力消耗や疲れがそのままというのはおかしな話ではないですか?

答えはもう少し問診を進めるとわかりました。
出産後と言ってもただの出産後ではなく、帝王切開での出産後の場合が多かったのです。

このブログでも何回か書いていますが、外傷は身体に悪い影響を残します。
帝王切開を含む手術も、身体から見れば切り傷の一種で間違いなく外傷です。
この外傷の影響が残っている結果、体質が変わり体調を崩すのです。

本当に手術が体調不良の原因かどうかは簡単にわかります。
手術の痕に鍼やお灸をすると身体の変化が大きいのです。
症状が良くなる時もありますし、全身のツボの反応でわかる時もあります。
この手術痕への鍼やお灸を続けていくと、体質も徐々に改善されていきます。

帝王切開に偏見はありませんし、どうしても必要な状況では反対するつもりもありません。
これは最初に書いたとおりです。
ただ、帝王切開後の身体への影響はとても気になってしまいます。
帝王切開後に体調の悪い方はぜひ当院にいらして、手術痕のケアを受けてみて下さい。

また、帝王切開を経験したけど体質に変わりのない人も油断は禁物です。
体力がある時は平気でも、身体が弱ると悪影響が表に出てきやすくなります。
鍼灸治療を受けないまでも、身体に疲れが溜まらないように日頃の生活に気を付けることが肝心です。