腰の異状について学んできました!

少し報告が遅れてしまいましたが、2月8~9日に積聚治療一泊研修会に参加してきました。
この研修会は積聚会が毎年開催しているもので、泊まりで2日間に渡ってテーマに沿った研修を受けます。
ちなみに積聚会とは平たく言えば鍼灸の流派の1つで、積聚治療を行う鍼灸師の集まりです。

今回の一泊研修会のテーマは「腰の異状」(異常でなく異状です)ということでした。
積聚治療を受けたことのある方はご存じだと思いますが、どんな症状でも基本的な手順は変わりません。
なぜ基本的な手順が同じかと言うと、症状の原因である生命力の低下に着目しているからです。
「腰の異状」を通してどのように生命力の低下をとらえるか、というヒントを研修会で得てきました。

「腰の異状」と言ってもその症状の現れ方は様々です。
例えば腰痛を症状とする疾患はいくつもあります。

一般的な原因は、ねんざと筋挫傷、変形性関節症、骨粗しょう症、椎間板破裂や椎間板ヘルニア、線維筋痛症、高齢者の脊柱管狭窄症などです。
痛みは、原因に応じて、間欠的または持続的、表在性または深在性、鈍い痛みまたは鋭い痛みなど、さまざまです。

腰痛: 腰や首の痛み: メルクマニュアル 家庭版

主なものだけでもこんなに病名が挙がるのは、上下左右、筋肉・骨・神経のどこの部位でも問題は起こり得るということです。
しかし鍼やお灸で問題個所を刺激しようとするならば、実際に鍼が届く筋肉にしかアプローチできません(神経や骨にも間接的に影響は行きますが)。
それでは対応できる疾患に限りが出てきてしまいます。
千差万別の腰痛全てに対応するには、生命力の低下を改善していくというのが大きなポイントになるのです。

腰痛を訴える患者さんを治療する際にも、腰に実際に施術することは少ないので不思議に思われることも少なくありません。
回りくどいようと感じるかもしれません。
しかし生命力の低下を改善することで、腰痛を和らげるだけでなく悪化しにくく再発しにくい体質にしていくことを目指しているのです。
もちろん程度が軽かったり、発症から時間が経っていなければ数回の治療で気にならなくなることも多いです。
また同時に現れている肩こり、手足の冷え、お腹の弱さ、頭痛、生理痛などの症状も変化することだってあります。
身体は腰だけでなく全部つながっているのだから当然と言えますね。

腰を含む全身を1つのものとみて、症状の大元からの改善していくのが積聚治療の特徴です。
より多くの患者さんの生命力を補えるよう、これからも研修を始め色々な機会で勉強し精進していこうと思います。