治療した後に「呼吸が楽になった」と言われることがあります。
ぜん息など呼吸器疾患で楽になる場合はもちろんあります。
しかし呼吸に関係ない症状の患者さんもおっしゃるのです。
本人に自覚がなくても呼吸が制限されていることが多い、ということがわかります。

「呼吸は生きるために一番大事」という説があります。
呼吸は数分しなかっただけで命に関わってくるからです。
これは食事、水分、睡眠などと比べても圧倒的に短いですよね。
また、生まれてから死ぬまで休むことなく続けられることも、呼吸の重要性の根拠の一つとされます。
何番目かはともかく、呼吸はとても大事なのはまず間違いありません。

実は「呼吸が楽になった」とおっしゃった患者さんには共通点があります。
なんらかの症状を持っていたということです。
これは鍼灸院にいらっしゃるのだから当たり前ですよね(笑)。
当院で行う積聚治療では、どの症状も生命力が低下した結果として現れると考えます。
呼吸の重要性と合わせると、生命力の低下と呼吸に何か関係がありそうな気がしてきませんか?

呼吸が重要ということは、身体のエネルギーも呼吸器系に優先的に割り当てられるはずです。
それにも関わらず呼吸が制限されているということは、症状は軽く見えても身体のエネルギーの総量=生命力がかなり少なくなっていることがわかります。
逆に治療で呼吸が楽になれば、生命力が補われたこともわかりますね。

東洋医学的には呼吸は外界の気を取り込む働きを持っています。
これは西洋的に見ても、酸素を得るためなので共通していますね。
治療で生命力が補われて呼吸が楽になれば、気を取り込む働きがより盛んになります。
気が体内に取り込まれると生命力となるので、さらに呼吸がしやすくなります。
この好循環に入ると身体に余裕ができてくるので、今度は最初に気になっていた症状も自分の回復力で改善しています。
自分が鍼灸で目指している状態の一つが、この好循環に入ることなのです。

運動の少ない現代社会だと、呼吸の苦楽に気づく機会があまりありません。
試しに深呼吸をしてみて下さい。
ただの深呼吸も意外と難しい場合があります。
そんな時は身体が弱っていると自覚して休むことが必要です。
休む際には胸元と背中を冷やさないのがポイントですよ。