患者さんを何回か治療していると、その人は一回でどのくらい改善するかがわかってきます。
しかし、ある日を境に一回の治療で効果がかなり出るようになった患者さんがいました。
不思議に思って訊いてみると、車通勤から徒歩通勤になったということでした。
それまであまり運動していなかったのが、歩くようになったことで鍼灸治療にいい影響が出てきたようです。

元々、人間は足を使って移動するのが前提になった身体の仕組みになっています。
なのであまり歩いたりしない生活をしていると、身体の想定から外れてしまいます。
例えば、むくみ。
脚に流れた血液は重力に逆らって心臓に戻る動力として、脚の筋肉の伸縮の力も利用しています。
座りっぱなし、立ちっぱなしで脚を動かさないとむくみやすくなるのは、あまり筋肉を動かさないことで血流が戻りにくいからです。

こういった現象を東洋医学では気のめぐりが悪いと認識します。
そして東洋医学からみると全身はつながっているので、脚の気のめぐりが悪いのは他の部位の不調にもつながります。
今回例に挙げた患者さんは逆に歩くようになって脚の気が活発になったことで、全身の気のめぐりも良くなったようです。
なので、鍼や灸の影響が今まで以上に全身に行き渡りやすくなったのです。

このように、治療効果は生活習慣も大きく関わってきます。
鍼灸治療だけでなく、西洋医学においても同じことです。「治療を受けているから」と安心しないで、たまには自分の日常を直してみて下さい。
回一堂鍼灸院ではその手助けとして、生活のアドバイスも行っていますよ。