子どもも外傷で悪化する②

先月の記事では子どもの症状と外傷の関係について書きました。
[関連記事:子どもも外傷で悪化する①
もう1つ大事な要素が生まれつきの体質・症状です。
西洋医学では遺伝を使って説明をしていますが、東洋医学の中でも昔から「先天」という言葉で理解されています。
先天的な性質を変えることは容易ではありませんが、外傷との関係を理解しておくとコントロールしやすくなるんです。

先天的なアトピーと外傷

以前、離乳食を始めてからずっとアトピーが続いているというお子さんが来院したことがありました。
触診すると頭にぶつけた痕が見つかったので改めて訊いてみると、抱っこに慣れていない時期に床に落としてしまったことがあるとのこと。
高さとしては20cmもなかったようですが、発症時期と比べると関連性がありそうと考え施術をしました。
すると食事を始めてから今まで落ち着く気配のなかったアトピーが段々と改善してきたのです。

外傷が生まれつきの体質を呼び起こす

このお子さんは父親もアトピーということなので、アトピー体質は生まれもったものなのでしょう。体質自体を変えることはできませんが、体質と発症は必ずしも同じものではないので改善の余地があるんです。
その手段の1つが外傷による身体への負担を減らすことなのです。
ちなみに今回の例のお子さんは、以前は食事をいくら工夫してもアトピーが治まらなかったのが、今では一部の食材を除き普通の食生活を送れているようですよ。

生まれ持った身体とうまく付き合おう!

このブログでも何度か書いていますが、僕自身も小さい頃から喘息を患っていました。
妹ともども親や祖母から体質を受け継いだことは間違いないのですが、それにしても親や妹より症状がかなりキツいことを不思議に思っていました。
今となっては1歳の時の外傷(ヤケド)の影響が大きかったんだと実感しています。
[関連記事:外傷の治療はすごい!(1)

生まれつきの体質・症状でも、大抵の場合はその後の生活内容などによって程度が変わってきます。
特に幼少期は生活の乱れやストレスが割合少ないので、その分だけ外傷が大きな影響力を持つことになります。
また、小さい頃の外傷は本人はころっと忘れてしまう分、周りの大人な対応してあげる必要があります。
もし体調で困っている子どもがいたら、一度外傷を疑って鍼灸施術を受けさせるのも良いかもしれませんよ。