鍼灸に依存性?

鍼灸に馴染みのない方から「鍼灸を受け始めると依存しないか心配」という声を聞くことがあります。
結論から言ってしまえば、東洋的な鍼灸に依存性はありません。
むしろ、最終的には来院せずにすむような身体を目標にしているくらいなんです。

治療に依存って?

上記の心配について詳しく掘り下げてみると、薬やグイグイ押すマッサージの印象によるもののようです。
身体は外部からの刺激があると、それに対応することで状態を一定に保とうとします。
薬は化学的、マッサージは物理的な刺激ですよね。
続けているうちに、その刺激を前提に身体の状態を保とうとするようになります。
そこで刺激が急になくなると前提が崩れ不調になってしまうので、状態維持のために依存してしまうのです。

鍼灸の依存性は?

鍼灸にも場合によっては依存性があることは否定できません。
太い鍼や深い刺し方、電気刺激による治療の場合は、回を重ねるごとに「もっと刺してほしい!」と思うこともあるそうです。

しかし、最初に書いたように東洋医学的な鍼灸は別です。
もちろん鍼や灸で刺激を与えることによって回復を促すわけですが、気の存在を前提に治療を進めていくので、化学的・物理的な理論で効くわけではありません。
そのため刺激の強度と効果は比例しませんし、軽い刺激の方が効果が出ることもあるくらい。
こういう治療法ならば、依存するほどの刺激ではないので安心です。

依存を避けるために

ただ、刺激とは別に依存のようになってしまう場合もあります。
「治療を受けないと症状が戻るから通い続ける」というパターンです。
これは一見依存のように思えますが、本質は症状管理の問題です。
日常生活や外傷などの病因が解消されていないため、治療効果が維持されないのです。
こういった場合はいつまでも治療をやめられない、一見すると依存の状態になっちゃいますよね。

依存を心配する気持ちはよくわかります。
ただ、闇雲に依存を恐れる必要はありません。
治療選びや生活改善を気を付けて、治療を受けなくても快調を維持できる身体を目指しましょう!