鍼灸に限らず東洋医学では「症状は必要があって現れている」とよく言われます。
一見すると症状自体はつらく悪いものに思えますが、本当の問題をフォローするために現れているというわけです。
最近、それを改めて感じたので記事にしてみます。

咳をしたら身体が良くなる?

先月、風邪がなかなか治らないという年配の女性を治療する機会がありました。
症状としては、少し前に風邪を引いてから微熱だけが治りきらずに続いているということでした。
詳しく話を聞いてみると、どうやら微熱以外の咳や鼻水といった症状は薬で抑えているとのこと。
この段階でも「実はまだ治りかけですらないんじゃないかなぁ」と想像できました。

治療を進めてお腹や背中の様子を診てみると、微熱が続いているという割に冷たく固い状態でした。
やはり身体は回復しておらず、風邪の治りかけどころではなさそうです。
治療を始めてもしばらくは様子に変化がありませんでしたが、あるタイミングで大きく咳をしました。
すると、その瞬間に全身が温まり柔らかくなったのです!

咳は身体を温めるためのもの

前述のように、症状とは身体に必要があって現れることが多いのです。
咳に関して言えば、学生時代に講師の先生から「身体を温めるための全身運動」と教わって驚いた覚えがあります。
確かに言われてみれば咳では全身の筋肉を使いますよね(咳のし過ぎで体中が筋肉痛という経験をした方もいるのでは?)。
筋肉が動く時には熱を発生するので、身体を温める効果にもつながるという理屈ですね。

今回紹介している症例はまさにその通りのことが起きています。
鍼灸治療を受けた結果、咳をする分だけの力が身体に戻ってきたんでしょう。
全身が動くほどの大きな咳をしたのをきっかけに、冷えていた身体が温まり快方に向かったのです。

症状を抑えず回復に努めよう!

今までも解熱剤や咳止めを飲んでない方が早く風邪が治るというケースを何度も見てきました。
特に今回は症状の重要性を間近で目撃できた貴重な症例でした。
これからは更に自信を持って「なるべく薬を飲まずに治しましょう」と言えそうです。
症状は身体が必要として現れていることがあります。
目先の症状を抑えることに捉われず、まずは疲れを取るなど身体自身の回復に努めてみて下さい!