心身症という言葉をご存知でしょうか?
手持ちの辞書には「何らかの精神的・心理的条件に起因した身体的疾患または症状(広辞苑)」とあります。
心と身体は別々のものではなく、影響が出る関係にあるということです。
これは西洋医学の言葉ですが、東洋医学では昔から心と身体は不可分であると考えています。
気の動きという観点から考えると、心と身体のつながりはよりわかりやすくなるんです。

心の動きは熱

運動で体温が上がるのは誰でも経験することですが、実は心の動きも熱につながります。
怒ると赤くなることや考えすぎで知恵熱が出ることを思えば、納得できるのではないでしょうか?
(知恵熱は迷信と思う人もいるかも知れませんが、頭脳労働で本当に頭皮が熱くなるんですよ)
飲酒で身体が熱くなると感情の動きが活発になるのもわかりやすいですね。
緊張・怒り・痛みなどで冷や汗が出るのも、熱を冷ますという一面もあるかもしれません。
同様に考えていくと、病的に心が活発な状態は熱でのぼせてしまっているんです。

のぼせが起きてしまう原因は簡単。
疲れによって身体が不調になると、体内の熱のコントロールができずのぼせてしまうのです。
疲れる時に無性にイライラするとか、疲れすぎてナチュラルハイと言われる状態がありますよね。
こういう状態でも疲れを解消できれば精神的にも落ち着いてきます。
逆に熱でのぼせた状態が続くと、ADHDなど病名がつくような重症になってしまいます。
実際にADHDなどの主訴で来院している方を診てみると、やっぱり全身が火照っているのです。

心が沈めば冷たく

上の例の反対は心が動かない状態です。
「血の気が引く」などの表現があるように、悲しみやショックは冷えと関係してきます。
冷えた状態が進行して、心が本格的に動かなくなってくるとうつ病などの診断がつくのです。
もちろんこのような患者さんの身体は冷えています。

冷えも身体の疲れに起因します。
のぼせはコントロール不能でしたが、冷えは身体を温めるエネルギーすらない疲れです。
この状態だと身体は省エネになっていくので、心も無感動になってしまいます。

心身の疲れを一緒に解消

ここまで読んで気づいたかもしれませんが、心身どちらの症状も疲れが原因です。
生命力に着目し疲れを取ることを重視している鍼灸治療なら、心身同時に回復に向かっていきます。
昔より心の病気が有名になってきたとは言え、いざ診断されるとまだまだ構えてしまう人も多いみたいです。
難しく考えず、まず全身の疲れをとることから始めてはいかがでしょうか?