妊婦さんの一番の関心事はお腹の赤ちゃんが健康に生まれるかどうかでしょう。
もちろん母親自身が無事に妊娠・出産を乗りこえられるかということも大事です。
とは言え、母子ともに比較的安定している状態だと他のことにも目が行くようになります。
その一つが、母親のお腹などにできる妊娠線です。

妊娠線とはお腹などが大きくなるのに皮膚の伸びが追い付かなくなる現象です。
その結果、線状の組織断裂が起きます。
これは妊娠中に目立つだけでなく痕として残りやすいので、妊娠後に気になる場合も多いようです。
予防としてオイルでのケアが有名なようで、たまにお腹がしっとりしている患者さんに出会います。

妊娠線は主にお腹の見た目の問題として取り上げられます。
しかし、鍼灸院で治療の一環として妊婦さんのお腹を診ていて、他の問題もあるんじゃないかと思い始めました。
妊娠線ができるということは、お腹の皮膚が張っていて伸縮しないということです。

ここで少し説明をしておきますと、回一堂鍼灸院では積聚治療という鍼灸治療法を行っています。
簡単に言えばお腹の異状(これを積聚と呼びます)を診て、使う背中のツボを決める治療法です。
身体が弱ると積聚が現れるので、治療後にそれが改善していれば治療が上手くいったと判断します。
このお腹の異状とは主に痛み、しこり、拍動です。

皮膚がかたくて伸びないという状態は、上記でいうしこりに通じるものがあります。
つまりお腹が張って伸びないという状態は妊娠線の原因になるというだけではないのです。
身体が弱っていると考えれば、他の色んな問題の予兆である可能性があります。

例えば逆児。
実際に今まで来院した逆児の方を思い返してみると、大抵の方はお腹が張っています。
そして大まかな傾向を言えば、お腹の張りが強ければ強いほど治るのに治療回数が必要なようです。
逆にお腹が柔らかければ鍼灸に対して胎児の反応も良く、比較的治りやすい気がします。
ほとんどお腹の張りがなかった方の場合では、逆児が治療一回で治ったこともありました。

妊娠線を見た目の問題としてだけではなく、身体の弱りが皮膚に現れていると考えることが大事です。
もし自分や家族が妊娠しているようならば、妊娠線=身体の弱りをチェックしてみてください。
「妊娠線ができそう(乾燥、かゆみなど)」や「妊娠線ができた」となったら要注意。
身体を休めたり鍼灸治療を考えてみてくださいね。

前回の記事でも書きましたが、11月まで僕の妻が妊婦でした。
毎日治療しているとお腹の張りはあっても一時的で、基本的には柔らかい状態でした。
身体が弱らないように気をつけていれば、オイルケアなどをしなくても妊娠線はできませんでしたよ!