「気のゆるみ」という慣用句をご存知でしょうか?
辞書には「緊張感がなくなる。気持ちの張りがなくなる」と載っています。
今の時期というのは気のゆるみやすい時期です。
そんな気のゆるみと東洋医学の関係をちょっと書いてみます。

鍼灸院で患者さんを診ていると、これからの時期は疲れが出てくる人が多い印象があります。
年度末・年度始めの忙しさが終わり、「気がゆるんでしまった」ためだと考えられます。
いわゆる五月病もその一種ですね。
もちろん、この時期だけに限りません。
忙しさのピークを過ぎて一息つくタイミングで体調を壊すということは、多くの人が経験していると思います。

上記の慣用句の「気」は「気持ち=心」という意味で使われています。
しかし、東洋的に考えるともう少し拡大解釈できます。
東洋的発想では全てのものは「気」できています。
人に当てはめると身体も「気」でできていると考えます。
つまり、「気がゆるむ」とは「身体がゆるむ」とも言えるのです。

では、身体がゆるむとは具体的にどういうことでしょう?
ゆるむと言うのは凝っていないということで、良いことのように見えるかもしれません。
しかし、東洋的な考えの特徴の一つが中庸、つまり偏りがない程々の状態を重要視することです。
身体がゆるみ過ぎて、締まりがなくなっても悪影響なのです。

例えば、着圧ソックス・タイツというグッズをご存知でしょうか?
ソックスやタイツで脚に圧をかけて血行を良くし、静脈瘤やむくみの改善を狙うものです。
このグッズからもわかるように、血液やリンパ(そして気!)を流すにはある程度の圧が必要なのです。
身体の締まりがなくなると圧が不十分になり、色々な流れが滞ってしまいます。

では気がゆるまないためにはどうしたらいいでしょう?
実は慣用句でいう「気のゆるみ」を避けるだけでも結構違ってきます。
東洋医学では心と身体を区別しません。
心に緊張感を持っているだけで、身体がゆるみ過ぎるのを防ぐことができるのです。

五月はただでさえ暖かくなってきて身体がゆるみやすい季節です。
だからこそ心にはちょっとした張りが必要になってきます。
連休も終わり、新年度も本格稼働。
お互い気合いを入れなおして頑張りましょう!

[続きはこちら:重量挙げと「気のゆるみ」